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涙道閉塞
涙道内視鏡を使ったチュービング

涙道内視鏡と涙管シリコンチューブ留置術

涙は目頭の眼瞼(まぶた)の縁にある上下2つの涙点から涙小管、涙嚢、鼻涙管を通って鼻腔へ流出します。
これらの涙道のどの部分が閉塞しても涙の流れが悪くなり「目に涙」(流涙症)がたまります。

涙道内視鏡は先が直径0.9mmの筒状の機械でモニター映像をみながら閉塞部位を確認し検査処置をすることができます。
涙道内をみながら行うことで確実な診断と処置を高確率で行うことが出来るようになりました。涙道内視鏡の初回検査では閉塞部位の診断と涙管チューブ挿入術を一緒に行うことが多いです。

涙道を金属の医療器具で拡張するだけでは炎症による癒着で再閉塞を起こします。従って涙道にしばらくシリコンチューブを留置し、涙道を開放したままにする事で治療効果をあげます。
これが涙管シリコンチューブ留置術です。この方法での流涙症の治癒率は約80%にもなります。

■涙菅シリコンチューブ留置術の注意点

チューブは一般的に3ヶ月ほど留置し、その後抜去します。
目頭の部分にチューブが少し出ていますが引き出さないようにしてください。
めやに等がたまればきれいな綿棒を使いチューブをひっかけないように、鏡でよく見てそっとこれを除去してください。

治療のリスク

下記のような合併症が現在までに報告されていますが、通常起きる可能性は低く、治療のメリットが上回ると判断されます。

代表的な合併症

【仮道形成】

本来の涙道とは異なったルートに涙道を新たに形成される場合があります。

【涙点の浮腫や炎症】

炎症をおさえる薬を使用することで症状を抑えます。

【眼瞼蜂窩織炎】

涙道を含め周囲組織への感染による炎症も起こり得ます。抗生剤により治療します。

【肉芽腫】

炎症により涙点や涙小管粘膜より発生することがあります。

合併症が起きた場合には適宜処置していきますが、このような合併症は仮に起きても、特に重篤かつ深刻な結果に至ることはまず考えられません。
なお手術に起因する合併症を全て把握することは不可能なためリスクおよび併発症のリストは完全なものではありません。御不明な点がありましたら主治医にお尋ね下さい

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