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緑内障
毛様体冷凍凝固術

毛様体冷凍凝固術とは

標準的な薬物療法、手術療法にて眼圧下降が得られない難治性緑内障(血管新生緑内障、手術を何度行っても眼圧下降しない緑内障、絶対緑内障など)の場合、毛様体冷凍凝固術が適応となることがあります。

手技は局所麻酔を行ったのちプローブという器具を使い-80℃ 約60秒間、毛様体(角膜輪部から3~4 mm離れた部位)を冷凍凝固していきます。
毛様体は房水 (眼内の水分)を産生する部位であり、その房水産生量は眼圧を決定する因子のひとつです。そこを冷凍凝固にて破壊する事により房水産生を減らし、眼圧を下降させるのです。

この手術は時に術後の炎症が強いことがあり、消炎鎮痛薬の投与や副腎皮質ステロイドの投与を行います。また合併症として虹彩毛様体炎、一過性眼圧上昇、前房などへの出血、白内障、さらに非常に稀ですが眼球癆 (眼が小さく萎縮してしまう) があります。
眼圧下降が得られない場合は眼の状態が安定してから再度毛様体冷凍凝固を行う場合があります。理論的には眼圧が下がらなければ何度でも行える手術です。

プローブ

治療のリスク

下記のような合併症が現在までに報告されていますが、通常起きる可能性は低く、治療のメリットが上回ると判断されます。

代表的な合併症

【視力低下】

視力が多少低下することがあります。白内障が出現したり、元来ある白内障が進行したりするのが一因です。また、黄斑浮腫(網膜の中心が腫れる)によることもあります。また特に異常がないのに「かすみ」を感じる方もいます。

【虹彩毛様体炎】

虹彩(茶目)の炎症は多少とも見られますが点眼薬、内服薬で対応します。

【一過性眼圧上昇】

稀に術後一時的に眼圧が上昇することがあります。点眼、内服、点滴で対応します。

【白内障】

非常に稀ですが、白内障が進行することがあります。

【脈絡膜剥離】

術後、眼圧が低くなると眼の奥の脈絡膜の血管から液体が漏出して、この膜が腫れて膨隆する状態を言います。これは高血圧や糖尿病等の全身状態とも関連しています。

手術に起因する合併症を全て把握することは不可能なためリスクおよび併発症のリストは完全なものではありません。御不明な点がありましたら主治医にお尋ね下さい。

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