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緑内障
流出路再建術
トラベクロトミー(線維柱帯切開術)

線維柱帯切開術(トラベクロトミー)では、線維柱帯を切開・切除します。角膜輪部に数ミリの小切開を加え、そこから特殊な手術器具を眼内に挿入します。次いで手術用顕微鏡下に特殊なコンタクトレンズで線維柱帯を直接観察しながら、切開・切除します。この手術を行うことで緑内障の進行を抑制することが期待でき、更にはこれまで使用していた緑内障点眼薬の数も減らせる可能性があります。

1. トラベクトーム

トラベクトーム

角膜切開から線維柱帯切開術を行う手術器具:トラベクトームを使用し房水の流れを良くする緑内障手術です。他の術式と比べ安全な手術とされており、重篤な合併症が殆どないのが特徴です。アメリカ(FDA)に承認され、日本国内においても厚生労働省の薬事認可を受けており、当院でもライセンスを取得した眼科医が手術施行しております。

2. マイクロフック

小さな切開創から専用のマイクロフックを用いて線維柱帯(シュレム管)を切開し房水の流れを良くする手術です。

治療のリスク

濾過手術と比較して重篤な合併症が少ないのが特徴です。しかし合併症がまったくない訳ではありません。

代表的な合併症

【前房出血】

最多の術後合併症で、軽微なものを含めれば必発といえます。しかし、その殆どは術後数日で自然軽快します。出血が吸収される過程で一過性に眼圧が上昇することがあります。この時は点眼薬や内服薬の追加、点滴で対応します。

【一過性眼圧上昇】

術後1ヶ月間に眼圧が上昇することがあり、5~20%程度と言われています。手術翌日が最多で、術後一週間以内に生じることが殆どで、数日間で眼圧下降が認められます。

【術後感染症】

侵襲が少ないため、これまで報告されたことはありません。しかし理論的にはあり得ます。抗生物質の投与で対応することになります。

以上のような合併症が起きた場合には適宜処置していきますが、このような合併症は仮に起きても、特に重篤な結果に至ることはまず考えられません。

なお手術に起因する合併症を全て把握することは不可能なため本説明書のリスクおよび併発症のリストは完全ではありません。

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